POODL “プードル”

“POODL プードル”は、深層学習を主とする高度な画像認識のための、データ収集、加工、学習、利用までを一貫して行えるAIプラットフォームです。

POODLのアーキテクチャ

印刷の製造工程で生成される画像を適切に活用するため、学習と利用(推論)をそれぞれ、クラウド環境・ローカル環境で使い分ける仕組みとなっています。画像は専用のSDKまたは作業員の画面操作を通じてアップロードされ、高性能な仮想マシン上で学習されます。学習した結果、最適なモデルが生成されれば、学習済みモデルをダウンロードしてローカル環境で実行できるので、装置へと自由に制限なく組み込むとともに、安定した生産体制を築くことが出来ます。

深層学習フレームワークとしてはデファクト・スタンダードとなっているTensorFlowを使用しており、各工場での課題に適用するため、課題の性質に応じて学習のアルゴリズムやデータの前処理を工夫するなどのチューニングをサポートしています。製造現場で要求される高精度な予測モデルを作成するには、大量かつ高品質なデータが必要です。数十万枚規模の画像を高速に安定して学習するために、最新のGPUを活用するほかメインメモリ上に乗り切らない画像データを効率よくキャッシュする仕組みを開発しました。高品質の学習用データを少ない手数でアノテーションするために使い勝手を考慮した操作画面を提供するとともに、半教師あり学習を応用した作業性向上の研究も進めています。

学習モデルを実際に利用する場合は、Webブラウザ上から利用する方法の他に、インターネットからWeb APIを通じた利用や、学習モデルをオフライン環境にダウンロードして既設の装置へ組み込むといった方法があります。Web APIはマイクロサービスの仕組みを採用しており、REST APIによって今後の機能追加やサードパーティ製品との連携を想定しています。そのため印刷現場の既存装置との連携も容易で、製造設備を支えるシステムインテグレータ企業とも連携しながら導入を進めています。

事例:印刷後の目視チェックの自動化
アノテーション画面

本製品の主要な活用事例は、印刷品の品質検査工程です。近年のマシンビジョン技術やカメラ・センシング技術の発展により高速な画像検査システムが開発され、既に多くの印刷現場で活用が進んでいます。しかしながら依然として多くの現場では人の目による目視チェックが不可欠です。それが困難である理由として、印刷工程のばらつきと従来手法の検出性能が一致しないことや、高次の認識処理による感性が判断基準となっていることが挙げられます。要求される印刷特有のノイズ判断や微妙な色の変化は現在のカメラ・センシング技術の性能限界に近づいています。従来の画像処理手法ではこの入力情報を用いた微妙な識別が難しく、品質検査の効率と歩留まりの維持がトレードオフとなっていました。本製品は従来の画像検査に加えて本製品の仕組みを活用することにより、目視チェック工程の効率化を実現します。